Yoichi Wyeth Suzuki Blog / 鈴木よういちの日々とか。



 佐原の観光スポットのひとつ「樋橋」。 
 通称「じゃぁじゃぁ橋」「ジャージャー橋」とよばれるその橋は、橋の途中から滝のように水が注ぐ不思議な橋。

 以前から気になってたので、橋梁マニア的にじっくり取材してみようかと😊

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 Wikipediaによると
 樋橋はもともと、江戸時代に小野川上流でせき止めた農業用水を佐原の関戸方面(現佐原駅方面)の水田に送るため、小野川に架けられた大きな樋(とよ)であった。この樋から小野川に落ちる水の音からジャージャー橋と呼ばれるようになった。その樋を人が渡るようになった。
 とある。

 小野川はここからだと南東方面が上流で、北に向かって流れ、そして利根川に注ぐ。

 そこで
  1. そもそもなぜ樋橋から水が流れ落ちていたのか。
  2. なぜここから下流(北西方面)に位置する佐原駅側の農業用水を直接このあたりの小野川からひかず、上流すなわち南東方面からわざわざ別系統で用水路をこしらえ、樋橋を経由させたのか。
 という素朴な疑問が頭をよぎった。


 さておき、まずは写真をパシャパシャと。

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 調べてみたところ、もともとこの位置に樋が渡されたのは1673年頃。
 U字溝に似たコの字型の大きな樋が当初架けられていたが、やがてその上を板で覆い、人が通れるようになったのだとか。

 ちなみに現在のものは観光用に架けられた比較的新しい橋。
 親柱・欄干ともに特にこれといった印象もなく、全長も12.75m(幅2.5m)程度のため、ボリューム感も味わい深さもない。

 しいてネタがあるとすれば、AKBのPVに登場してたことぐらいか。w


 ただ、前述の疑問はとても気になる。笑

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 橋を舐めまわすように細部まで目視し、ひたすら写真を撮りまくっている奇特な趣味の人間(=私)を不思議に感じたのか、先ほど伊能忠敬の旧家でお世話になったおじいさんが駆け寄ってきてくれた。
 ありがとうございます。w


 質問1.、つまり「なぜ橋から水が流れ落ちていたのか」という話をしていたら、逆におじいさんから「なんでだと思う?」と質問された。

 「うーん、立て付けが悪かったんですかねぇ。水モレみたいな…」

 そう冗談交じりに答えてみたところ、朗らかにムスっとしたご様子だった。
 スミマセン。w

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 1.の答えは「用水路の水量調整」だと。
 農業で水が不要なとき、あるいは洪水時、ここで小野川に捨てていたのだとか。
 なるほどー。

 また2.の答えでもあるが、小野川の水位はまわりの地面に比べてだいぶ深い位置にある。
 よってここから下流に用水路が作れないため、地上の高さと同じ水位(高さ)のポイントを小野川上流で探し、そこに堰を作り、街をはうように人工の水路を作ったらしい。
 なるほどー。江戸時代の人はすごい。


 国土地理院の標高データで作成してみた地図がこちら
 たしかに地形にそって水路が流れているのが確認できる。

 同院の地図空中写真閲覧サービスの航空写真はこちら
 1975/01/30撮影・高度1,200mのもの。
 現在でいう小野川放水路の分水ポイント(転倒堰)から、用水路が流れているのが確認できる。


 おじいさん曰く「川の上に水が流れてるのって日本全国でも珍しいでしょ」と。

 確かにその通りであるが、ぼくは猿橋(山梨)の近くで見たかな。
 東京電力八ツ沢発電所第一号水路橋



 面白い発見だったのは、樋橋に流れる用水は旧伊能忠敬邸の軒下から流れている。
 本宿にある名主の敷地内にある用水が、樋橋を経て新宿方面に流れてたんだ。 

 「だったら治水という名のもとに意地悪もできたんじゃないかなぁ」

 というのはさすがに穿った見方であろうが、伊能家は新宿方面の利水を握っていたことは間違いなさそう。さすが名主。

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 地元の小学校の社会科だろうか、樋橋を題材に「橋の全長を歩幅で測る」授業を実施していた。
 とてもいいね👍👍

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 最後に忠敬橋の写真もついでに。

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 佐原楽しかったー!
 また今後ゆっくり来られますように。



 Yoichi



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